カメラで星景写真を撮る際には「暗くて構図が合わせられない」「家に帰って写真を見返したら、星にピントが合っていなかった」などのトラブルが付きものです。そこで、OMデジタルソリューションズ(OMDS)製のOM-1、OM-5、OM-D E-M1 Mark Ⅲといったカメラ本体を使うことで、これらのトラブルを回避することができます。なぜならば、これらのカメラ本体に搭載されているナイトビュー(LVブースト)モードを使うことで、真っ暗闇でも背面液晶で風景を視認できるようになることと、星空オートフォーカスモードを使うことで、星にピントが自動で合うからです。
今回の記事では、ナイトビューモードと星空オートフォーカスモードの利点について紹介します。
目次
ナイトビューモードを使った構図合わせ
通常のカメラ
通常のカメラで星景写真を撮影しようとしてカメラを風景に向けると、よほど月が明るい時期を除いて、背面液晶には星がかすかに表示されるだけで、風景はまったく表示されません。そこで、撮影を繰り返しながら徐々に構図を合わせていくという作業が必要になります。仮にシャッタースピードが20秒、三脚の調整時間が1回あたり20秒、撮影回数が4回だとした場合、目的の写真を撮るために160秒掛かる計算になります。しかも、三脚を調整した際にピントリングに触れてしまうと、これにピント調整時間が加わることになります。
OMDSのカメラ
OM-1のナイトビューモードやE-M1 Mark ⅢのLVブーストモードを使うことで、背面液晶に星だけでなく風景が明るく表示されるようになります。以下に例を示します。左はOM-1の通常モードで暗い室内に飾ってあるカレンダーにカメラを向けた際の背面液晶です。右は同様にナイトビューモードの背面液晶です。左の通常モードでは背面液晶が真っ暗になっているのに対して、右ナイトビューモードでは背面液晶にカレンダーが明るく写っていることが分かります。これによって、星景写真の撮影時に一発で構図を合わせられるようになります。
左では背面液晶に何も写っていないのに対し、右ではカレンダーが写っている。
星空AFを使ったピント合わせ
通常のカメラ
通常のカメラで星にピントを合わせようとした場合、オートフォーカスモードは働かないため、マニュアルでフォーカスを調整する必要があります。具体的には、背面液晶に表示された星の滲みや面積が最小になるようにピントリングを回していきます。これは星空撮影において最難関とされている作業です。なぜならば、ピントが合う範囲はごくわずかだからです。操作に慣れていない場合には、一見背面液晶ではピントが合っているように見えても、PC画面ではピントが合っていないということが頻発します。しかも、暗い星を写そうと明るいレンズを使って解放にするほどピントが浅くなるため、さらにフォーカス調整の難易度が上がります。
ではどうすればいいかというと、1枚の写真に対してピントを調整しなおした写真を複数枚撮ることで対応することが多いです。仮にシャッタースピード20秒、ピント調整作業10秒、撮影回数3回とした場合、撮影1回につき90秒が必要ということになります。当然、時間だけでなく精神力も削られることになります。
OMDSのカメラ
OM-1やE-M1 Mark Ⅲの星空オートフォーカスモードを使うことで、星空に対してほんの数秒でピントが合います。星空オートフォーカスモードの設定・使用方法は下記の通りです。
- まず、背面の「OK」ボタンを押し、AF方式を★AF(星空AF)にする。
- 次に、フォーカス範囲に明るい星を入れて、カメラ背面右上のAEボタンを押す。3~5秒程度かけて、自動でピントが星に合う。
もちろん精度も全く問題ありません。以下に筆者が星空オートフォーカスモードで撮影した星景写真を掲載します。拡大してみても星にピントが完璧に合っています。
筆者の感想
星空AFとナイトビューモードを使うことで星景写真を撮るのがとても楽になりました。他のカメラにはもう戻れないです。また、マイクロフォーサーズの高感度ノイズは出やすいと言われていますが、明るい広角レンズを使えば大したことはありません。実際に、マイクロフォーサーズを搭載したカメラで1x.comでpublishedされた写真も多数あります。つまり、プロの目から見て作品レベルとして気にならないということです。
それでも高感度ノイズが気になる場合にはDxO PureRAWを使うことで、高感度ノイズを2段分改善しフルサイズ相当にすることも可能です。
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