「写真を大きくプリントしたい」「トリミングしすぎて画質が悪化した」「低画素のため画質が悪い」などのように悩んでいる方は多いと思います。このような場合にはTopaz Gigapixel AIをオススメします。GIgapixel AIでは、AIが画素の間を補完することで、最大で写真の画素数を最大6倍まで上げることができます。
今回の記事では、Gigapixel AIの使い方と実例を紹介します。
目次
Gigapixelの使い方
Gigapixel AIをダウンロード、インストールして写真を取り込むと、画面右側に以下のサイドバーが表示されます。このサイドバーの使い方を紹介します。
①のCropを選択すると、画素数を増やす範囲を選択することができます。通常はCropを選択しなくて構いません。
②で、縦横どの方向に画素数を増やすかを選択できます。Scaleは全範囲、Widthは横、Heightは高さ方向に画素数を増やします。通常はScaleを選択しておきます。
③のScaleでは画素数をどれくらい増やすかを選択できます。2xとは縦と横にそれぞれ2倍ずつで、合計4倍に画素数を増やします。4xは同16倍、6xは同36倍になります。後述しますが、2x~6xではファイルサイズが大きくなるだけで、画質に変化はありません。尚、0.5xは画像を縦横半分にする機能なので、あまり使うことはないかと思います。
④のAI Modelでは写真の種類に合わせてAIの処理モードを選択します。Standardは全ての写真に適用できるモードです。ただし、毛皮や羽毛などではノイズが生じる可能性があります。Linesは建物、都市、文字、薄い線の入った写真などに適したモードです。Art & CGはコンピュターグラフィック、絵画、図形、スキャンした写真などに適したモードです。Low Resolutionは、圧縮された写真に適したモードです。Very Compressedは、Low Resolutionの強化版です。小さいサイズに圧縮された写真、スキャンされた写真、古いデジタル写真に適したモードです。
⑤のSettingsでは、Suppress Noise(ノイズ抑制)とRemove Blur(ブレの除去)の度合をバーで調整します。通常は⑥のAutoをONにしておけば自身で調整する必要は問題ありません。
⑦のReduce Color BleedをONにすると、写真にガンマ補正が適用されて、画素数が増えても写真の明るさが自然になります。通常はONにしておけば問題ありません。⑦のFace RefinementをONにすると、AIが顔を認識して強調します。Face Refinementが検出することができるのは小さい顔のみで、クローズアップした大きな顔は認識しません。人の顔が写っている写真の場合には、必要に応じてONにすると良いです。
処理方法、処理時間
画面右下のSave Imageを押し、さらに次の画面から「Save」を押すと、ソフトが画素数向上処理を始めます。
この処理にはそれなりに時間が掛かります。筆者のPCのCPUは「intel Core i9-9900K」でGPUは「NVIDIA Quadro P2000」となっています。このPCで2,000万画素のJPEGファイルを処理した場合には、以下の通り時間が掛かりました。
倍数 | 処理時間 |
2倍 | 47秒 |
4倍 | 1分37秒 |
6倍 | 1分40秒 |
扱えるファイル形式
Gigapixel AIで扱うことのできるファイル形式は、jpeg, png, tiff, そして各社のrawファイルなどです。ただし、rawファイルではプロファイル補正が適用されないため、全体的に薄く暗くなるなど、写真がおかしくなります。よって、rawファイルを使いたい場合には、後述する方法でphotoshopやlightroomのプラグインとして利用すると良いです。
実例紹介
それでは実例紹介に移ります。今回は、以下のjpeg画像をGigapixel AIでそれぞれ2倍、4倍に画素数を増やす処理をして比較します。6倍については、画素数が多すぎてlightroomでトリミングできなかったために掲載していません。AI ModelはStandard, SettingsはAuto, Reduce Color Bleedはon, Face Refinementはoffにしています。参考として、photoshopを使ってadobeスーパー解像度を適用した写真とも比較を行います。
・Gigapixel AIでjpeg画像を2倍処理
・同4倍処理
・同6倍処理
・photoshopでrawファイルを使いadobeスーパー解像度を適用(2倍)
・photoshopでjpegファイルを使いadobeスーパー解像度を適用(2倍)
以下に画像処理前後における拡大図を示します。写真中央やや上の山の部分を拡大しています。この画像比較から、以下のことが分かります。(尚、ここから先のページはスマートフォンよりもPCで見た方が分かりやすいです)
- Gigapixel AIでは、元画像より精細になっている。ただし2倍と4倍で差は無い。
(図示していないが、2倍と6倍の差も無い) - adobe スーパー解像度 (jpeg)では、元画像と比べて精細さに差は無い。
- adobeスーパー解像度(raw)では、元画像と比べて精細になっている。
- Gigapixel AI (2倍)とadobeスーパー解像度(raw)とを比べると、前者ではきめ細かな描写になっているのに対して、後者ではクッキリとした描写になっている。
Gigapixel AIは画質向上に効果がありました。また、Gigapixel AIとadobeとは甲乙つけがたい結果となりました。
先ほどの写真の、写真中央やや下の街部分を拡大した様子を以下に示します。比較画像から、以下のことが分かります。
- Gigapixel AIでは、元画像より精細になっている。ただし2倍と4倍で差は無い。
- (図示していないが、2倍と6倍の差も無い)
- adobe スーパー解像度 (jpeg)では、元画像と比べて精細さにほとんど差は無い。
- adobeスーパー解像度(raw)では、元画像と比べて精細になっているが、ノイズが出ている。
- Gigapixel AI (2倍)とadobeスーパー解像度(raw)とを比べると、後者の方がノイズが少なく、尚且つクリアな絵になっている。
先ほどの例よりも、Gigapixel AIの方が結果が顕著に良くなりました。
感想
感想としては、jpegであれば明らかにadobeスーパー解像度よりもGigapixel AIの方が優れています。rawデータがある場合には写真によってどちらが適しているかが変わってきます。街並みに関してはGigapixel AIが優れていますが、山については甲乙をつけがたいです。きめ細やかな描写が好きであればadobeスーパー解像度が、くっきりとした描写が良ければGigapixel AIの方が良いでしょう。色々な画像を試してみるのが良いと思います。
料金体系
Topaz Gigapixel AIの利用料金は79ドルです。これは、為替レートが115ドル/円の場合、9,085円という事になります。クレジットカードを使えば、特別な手続きや手数料無しで支払うことができます。1年間は無料でアップグレードすることができます。1年過ぎた場合でも、アップグレードができなくなるだけで、無料で使い続けることが可能です。
また、DeNoise AI, Gigapixel AI, Sharpen AIがセットになったimage quality appsであれば、159ドルで購入することが可能です。
いずれも、以下のクーポンコードを入力することで、15%オフで購入することが可能です。
adobe社ソフトとの連携方法
Topaz Gigapixel AIは、adobe社の各ソフトのプラグインとして使うこともできます。プラグインとして使うことで、RAWデータを取り扱えたり、RAW現像やレタッチが可能になるというメリットがあります。以下に方法を紹介します。
lightroom
lightroomの場合には、写真タブから「他のツールで編集→Topaz Gigapixel AI」と進みます。
photoshop
photoshopの場合には、ファイルタブから「自動処理s→Topaz Gigapixel AI」と進みます。
今回のTopaz Gigapixel AIの紹介記事は以上になります。