フィッシュアイ(魚眼)レンズは、被写体を「広く歪んで撮る」ことのできるレンズです。何気ない風景も、フィッシュアイレンズで撮ると一味違ったものになります。
今回は、オリンパス(現:OMデジタルソリューションズ)の誇るフィッシュアイレンズ・M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO(以下、Fisheye PRO)を使って、厳冬期の八甲田山(青森県)を撮影した作例を紹介します。このレンズはフィッシュアイレンズとして使えるだけではなく、一部のオリンパス製カメラ本体に搭載されているフィッシュアイ補正を使うことで、通常の広角単焦点レンズとして使うこともできます。
(今回はコロナが流行っている社会情勢もあり、ソーシャルディスタンスや感染対策を万全にして撮影に臨んでいます)
目次
機材
カメラ本体としてOM-D E-M5 Mark Ⅲを使いました。
オリンパスの誇る小型軽量、耐寒仕様の高機能ミラーレスカメラです。
条件
撮影条件は以下の通りです。
- 撮影日時:2021年1月某日
- 気象条件:微風、晴れときどき曇り
- 撮影時間:昼間~深夜~早朝
今回は、積雪期の八甲田山にテントを張りました。
夏に八甲田山にテントを張ることは禁止されています。また、一年を通して八甲田山中に営業小屋は存在しません。氷点下を超える環境で夜を超す装備と技術が必要になりますので、気軽に挑戦してしまうと遭難する危険性があることをご承知おきください。
全ての写真にはブログ掲載用に必要最低限の圧縮をしています。すべての写真には多かれ少なかれRAW現像を施しています。
作例
作例紹介に移ります。
12~2月の八甲田山はほとんど晴れることが無く、暴風雪に閉ざされてしまいます。
この日は貴重な晴天に恵まれ、暴風雪によって大きく発達したスノーモンスターを眺めることができました。
被写体の近くに近づくほど、歪みも大きく写ります。
OM-D E-M5 Mark Ⅲに搭載されているフィッシュアイ補正機能を使えば、通常の広角単焦点レンズとして使うこともできます。
日が傾いてきました。
写真正面の山は硫黄山といって、夏には登山道が存在しません。
冬になると藪が雪で埋もれることで通行しやすくなり、バックカントリーのために入山する人が多くなります。
時刻は深夜0時。
fisheye proの解放F値は1.8と明るく、しかも広角レンズのため星景写真にも最適です。この日は半月だったため、山並みが黒く潰れることなく(明るく)撮影することができました。
フィッシュアイ補正を使い、標準広角レンズとして撮影しました。
正面に見えているのは岩木山です。
氷点下の寒さでしたが、レンズとカメラ本体が耐寒仕様のため、電源が落ちたり動作不良が起こることなく撮影することができました。
夜明けを待つ八甲田山を手持ち撮影しました。
明るいFisheye PROをオリンパスの優秀な手振れ補正機能と組み合わせることで、夜景を手持ち撮影することができます。以下作例のシャッター速度は0.5秒ですが、人によってはこれより遅い速度でもブレることなく撮影が可能です。
Fisheye PROを使うことで、一味も二味も違った写真を撮ることもできます。
しかもレンズが明るいため、日中だけではなく夜間もそのまま(=レンズ交換無しに)使うことが可能です。
今回の記事は以上になります。