富士フイルムから発売されているミラーレスカメラ・XシリーズやGFXシリーズには、フィルムシミュレーション機能が搭載されています。フィルムシミュレーションとは、富士フイルムから発売されている各アナログフィルムの色味をワンクリックで再現できる機能です。
フィルムシミュレーションを写真に適用することで、発色、コントラスト(明暗差)、階調(色の濃淡変化)といったパラメーターを、あらかじめメーカーが設定した値に手軽に変更することができます。富士フイルムはもともとフィルムメーカーだっただけあり、どのフィルムシミュレーションの色もとても綺麗です。この機能を使いたいがために同社のカメラを使っている人も多いと聞きます。筆者は、フィルムシミュレーションのうち発色の豊かなベルビア、落ち着いた色のプロビア、映画風のエテルナ、そしてモノクロのアクロスを使う事が多いです。
今回の記事では、筆者が撮影した写真を元に、これら4つのフィルムシミュレーションの適用例を紹介します。
目次
Velvia(ベルビア)/ビビッド
ベルビアは、鮮やかな発色とメリハリのある階調が特徴です。青空をより青く・夕焼けをより赤く、また、花の色を鮮やかに再現することができます。
3つの作例を以下に示します。
いずれの例も左側がプロビア(通常モード)、右側がベルビアです。
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どうでしょうか。いずれの例でも写真の色が極端にギトギトになることなく、あくまでも自然で美しい高彩度に仕上がっているかと思います。
ベルビアを使った作例についての詳細は、以下記事をご覧ください。
PROVIA(プロビア)/スタンダード
プロビアは、標準的な発色と階調が特徴で、見た目通りの色再現を求める場合に最適なフィルムシミュレーションです。
作例については、本記事の1項前をご覧ください。左側の写真がプロビアです。
ベルビアとプロビアをどのように使い分ければいいか…というと、鮮やかな発色が好きな人はベルビア、落ち着いた発色が好きな人はプロビアが良いでしょう。
ちなみに筆者の場合は、落ち着いた色が特徴的な他社のカメラと富士フイルムのカメラを二台持ちすることが多く、両者の発色を合わせるために最近はプロビアを使うことが多いです。
ETERNA(エテルナ)
エテルナは、映画用撮影フィルムを再現したフィルムシミュレーションで、落ち着いた発色と豊かなシャドウトーンが特徴です。
映画用のフィルムシミュレーションを山岳撮影のどこで使うのか…と言うと、主に岩山や山小屋などです。
写真の彩度が落ちることにより、岩や木の持っている質感が活きるようになります。以下に2つの作例を示します。いずれの例も左側がプロビア(通常モード)、右側がエテルナです。
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エテルナを使った作例についての詳細は、以下記事をご覧ください。
アクロス(ACROS)
富士フイルムには超微粒子で知られる白黒フィルム「ACROS」があります。滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現が特徴です。
いわゆるモノクロ写真というやつです。
モノクロ写真を山岳のどこで使うのか…と言うと、主に光の濃淡差が激しい被写体です。
以下に2つの作例を示します。
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どうでしょうか。アクロスには、カラーとは一味違った良さがあるかと思います。
アクロスを使った作例についての詳細は、以下記事をご覧ください。
(番外編)カラークロームエフェクト
番外編として、富士フイルムのカメラにはカラークロームエフェクトも搭載されています。一般的に、色の濃い花などでは色が濃すぎてディテール(詳細)が潰れてしまいます。そこでカラークロームエフェクトを使うことでディテールを復活させることができます。
以下に2つの作例を示します。
いずれの例も左側がカラークロームエフェクトOFF、右がONです。
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カラークロームエフェクトについての詳細は、以下記事をご覧ください。
今回紹介したフィルムシミュレーションやカラークロームエフェクトは、RAWファイルを保存しておけば後で適用することも可能です。
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今回の記事は以上になります。