富士フイルム社製ミラーレスカメラには、写真の彩度(色の鮮やかさ)や階調(写真内での色の濃淡変化)を手軽に変更できるフィルムシミュレーションという機能が搭載されています。
フィルムシミュレーションのモードの1つに、彩度と階調を下げることのできるエテルナ/ETERNAがあります。エテルナはどのような場面に合うのでしょうか。筆者のフィールドワークである登山においては、岩、木、曇天、火山と言った被写体にエテルナが合うと感じています。今回の記事では、被写体のパターン別にエテルナの作例を紹介します。
目次
エテルナ/ETERNAの概要
エテルナは映画用フィルムを模して造られたフィルムシミュレーションです。前述の通り、エテルナでは彩度と階調が下がります。つまり、色はモノクロに近くなり、さらに写真内での色の濃淡変化が少なりなります。いわゆる眠い写真となります。ここで言う眠いとは決して悪い意味ではなく、写真が主張しすぎないといういい意味で用いています。
写真をrawデータで保存しておけば、フィルムシミュレーション設定を後で変更することが可能です。もちろん、撮影現場でフィルムシミュレーションを設定することもできます。
エテルナ/ETERNAの作例紹介
以下にエテルナの作例を紹介します。全ての写真において、左側が標準(PROVIA)モード、右側がエテルナ(ETERNA)モードです。
岩山
岩山の写真では、エテルナを使うことで写真が映えることがあります。
下記写真は劔岳を撮影したものです。右側のエテルナモードの方が、左側の標準モードよりも彩度が低く(モノクロに近く)、階調が低く(色のメリハリが無くなる)なっています。このことによって色の情報が少なくなり、代わりに劔岳のギザギザした形が相対的に協調される良い写真となっているように感じます。
下記写真は、北アルプスの白馬三山の1つ・杓子岳を撮影したものになります。好みは分かれるかもしれませんが、上記写真と同じ原理で右側のエテルナの方が、杓子岳が強調され良い写真と捉えることができるかもしれません。
下記の写真は、1月の厳冬期に北岳山頂から岩稜帯を通過し幕営地を目指す登山者を撮影したものです。左側の標準モードでは、雪が眩しく岩稜帯の険しさがいまいち伝わってきません。一報、右側のエテルナモードでは、雪の存在感が薄くなり相対的に岩稜の存在感が増すことで厳しさの伝わる良い写真となっているように感じます。
木
山小屋ではエテルナが映えることが多いです。山小屋では木が使われている箇所が多く、木の質感とエテルナの眠い感じが良くマッチします。
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曇天
当然、登山においては曇天よりも晴天の方が良い写真が撮れることが多いです。しかし、曇天の場合でも良い写真は撮れます。曇天の日には、是非エテルナモードで撮影をしてみましょう。エテルナモードを使い空の彩度と階調を思い切って下げてしまうことで、神秘的な写真となります。
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火山
火山とエテルナは合うことがあります。下記の写真は噴煙を上げる焼山を撮影したものです。左側の標準モードでは、空や雪山は綺麗に写っていますが、その分右の焼山と噴煙の存在感が下がっています。一方、右側のエテルナモードでは空や雪山の存在感が下がり、相対的に焼山と噴煙の存在感が増しています。
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