先日、EPSONの染料プリンタ「EP-50V」を購入しました。
EP-50Vは、EPSONの染料プリンタの中では最もグレードの高い機種に位置付けられており、A3ノビサイズまでのプリントをすることが可能です。
世の中は様々なプリンタであふれています。メーカーとしてはEPSONとCanonの2社が有名です。さらに、インクの種類としては染料と顔料の2種類があります。何を重視するかで、どのプリンタを選べばよいかが決まります。
今回の記事では、筆者がプリンタを購入するに至った動機と、様々なプリンタの中からEP-50Vを選んだ理由をお伝えします。
目次
動機
結論から言うと、筆者がプリンタを購入しようと考えた動機は、「写真コンテストに応募して写真の腕を上げたいと考えたから」です。
経緯を話します。
筆者がブログにアップするために過去の写真を探しているうちに、3年前から比べて全く腕が上がっていないように思えてきました。同じような構図、主題やストーリーのはっきりしない写真…などです。
写真コンテストに応募すると、他の方の入選作品や論評を参考にするなどで、様々な気づきを得ることができます。しかし、大部分の写真コンテストは印刷物でしか応募することができません。
では外注サービスでプリントをすればよいか?というと、そう単純な話でもありません。
プリントは1回では終わらず、「プリントする→見た目をチェックする→改善して再度プリントする」というフローを踏む必要があります。
これを外注で行うのはあまりにも手間とコストが掛かります。
そこで、自分専用のプリンタとして、EPSONの「EP-50V」を購入するに至りました。
メリット
以下に、EP-50Vを使って風景プリントをする場合のメリットを紹介します。
染料インクなので色鮮やか
EP-50Vのメリット1つ目は、染料タイプのインクを採用しているため色鮮やかなプリントが可能な点です。
これは、風景特有の空や花、緑を色鮮やかにプリントできるため、メリットとなります。
インクには、染料と顔料の2種類があります。それぞれの特徴を以下の表に示します。
どちらの種類にもメリット、デメリットがありますが、筆者が重視したのは「鮮やかさ・光沢感」と「印刷コスト」の2点です。
一般的に、青空や花、緑を写すことの多い風景写真では、鮮やかで光沢感の得られる染料プリンタが適しているとされています。(これについては諸説あり、これと逆の考え方も世の中には存在します)
一方、ポートレートなど「鮮明さ」を重視する場合には、顔料プリンタに軍配が上がります。
(染料プリンタと顔料プリンタの比較については、Canonのサイトにユーザーの声がまとまっているので、参考になるかと思います)
「印刷コスト」については次項で説明します。
表 染料と顔料の特徴一覧
染料 | 顔料 | |
鮮やかさ ・光沢感 | 鮮やか 光沢 | 劣る |
印刷コスト | 安い | 高い |
耐水性 | 弱い | 強い |
鮮明さ | 劣る | 優れる |
印刷速度 | 速い | 遅い |
耐光性 | 劣る | 優れる |
印刷後、色が 安定するまでの時間 | 長い (一晩以上) | 短い (数時間) |
プリンタ本体の価格 | 安い | 高い |
印刷コストが安い
EP-50Vのメリット2つ目は、印刷コストが安い点です。
メーカー公式HPによると、EP-50VにおけるL判※1枚あたりの印刷コストは用紙を含めて12.7円です。これは、競合するCanonのPRO-100Sの同19.7~31.1円の約半分の価格となります。
(※L判とは、ハガキよりもひとまわり小さいサイズ)
よって、EP-50Vの印刷コストは、もともとコストの安い染料プリンタの中でもかなり安い部類に入るということになります。
プリンタの印刷コストはとても重要です。理由は2点あります。
1つめの理由は、定期的に使い続けていないとプリンタが目詰まりを起こし、クリーニングで大量のインクを消耗してしまうからです。
2つめの理由は、前述の通り写真コンテストに応募する際には、「プリントする→見た目をチェックする→改善して再度プリントする」というステップを繰り返すためです。しかも最終プリント時にはL判の約5倍の面積を持つA4でプリントをすると仮定した場合には、1枚あたりのコストはさらに高くなるでしょう。
A3ノビサイズまでプリントできる
EP-50Vのメリット3つ目は、A3ノビサイズまでプリントできる点です。
A3ノビサイズとは、A3よりも一回り大きいサイズです。
現在のところ、筆者はA4までしかプリントする予定はありませんが、将来的に大きく写真をプリントして飾りたい…となった場合にも対応することが可能です。
コンパクトで軽い
EP-50Vのメリット4つ目は、コンパクトで軽い点です。
ボディサイズは幅476×奥行き369×高さ159(mm)で、重さはわずかに8.5 kgです。このサイズであれば、机の横においても邪魔になりにくいです。(もちろん、机の大きさにもよります)
一方、競合するCanonの高級染料プリンタ・PRO-100Sでは、ボディサイズは689×385×215(mm)と一回り以上大きく、重量は19.7 kgにもなります。PRO-100Sを購入する場合には、専用のスペースを確保する必要があるでしょう。
(ただし、PRO-100Sを貶めるつもりはありません。本記事の後半で紹介しますが、PRO-100Sにはメリットも存在します)
デメリット
以下にEP-50Vのデメリットを紹介します。
インクは6色のみ
EP-50Vのデメリット1つ目は、インクの色が6色のみである点です。
(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グレー)
インクの色数が多いほど豊かな色を再現できるようになります。高級プリンタでは8色のインクが搭載されていることも多いため、この点はEP-50Vのデメリットとなります。
(ただし、EP-50Vでは論理的色変換システムLCCSという独自技術によって、インク数の少なさをカバーし豊かな色を表現しているとのことです)
8色にこだわる場合には、Canonの染料プリンタ・PRO-100Sをオススメします。
表 EP-50VとPRO-100Sの主な仕様の比較
EP-50V | PRO-100S | |
インク数 | 6色 | 8色 |
印刷コスト (L判1枚あたり) | 12.7円 | 19.7~31.1円 |
大きさ | 幅476 ×奥行き369 ×高さ159(mm) | 幅689 ×奥行385 ×高さ215(mm) |
重量 | 8.5 kg | 19.7 kg |
スキャナが付いていない
EP-50Vのデメリット2つ目は、スキャナが付いていない点です。
純粋に写真プリントに使う場合には問題ありませんが、複合機的に使う場合にはデメリットとなります。
スキャナ機能を求める場合には、同じくEPSONのEP-10VAをオススメします。
EP-10VAは、EP-50Vにスキャナが付いた構造をしています。
両プリンタでは同じインクが採用されており、プリントされる色や印刷コストは同等となります。ただし、EP-50VではA3ノビサイズに対応しているのに対し、EP-10VAではA3サイズまでしか対応していない点には注意が必要です。
今回の記事は以上になります。
EP-50Vを使い込んだら、関連記事を書いていきます。