「レンズ交換式のカメラを買ったけれど、どのレンズを使ったらいいかわからない」という人は多いと思います。50本以上のレンズを出しているメーカーも少なくないので、当然の悩みだと思います。
結論を言うと、登山では目的とする被写体によって「高倍率ズーム」「超広角ズーム」「明るい広角単焦点」の3種類のレンズの中から選べばよいです。なぜならば、これら3種類のレンズのいずれかを使うことで、ほとんどの被写体に対応できるからです。
今回の記事では、筆者が撮影した写真を交えて、これら3種類のレンズと作例(得意とする被写体)を紹介します。
・すでに一眼レフカメラやミラーレスカメラを保有しており、登山向けにレンズの買い増しを検討している人
・一眼レフカメラやミラーレスカメラと一緒にレンズの購入を検討している人
尚、レンズを選ぶ上では焦点距離とF値の2つがポイントになります。以下の記事で解説しています。
目次
高倍率ズームレンズ
1つめのオススメレンズは高倍率ズームレンズ(便利ズームレンズ)です。
広角域~望遠域の焦点距離をカバーできるレンズを、高倍率ズームレンズと呼びます。高倍率ズームレンズがあれば、広大な稜線、遠くの山のアップ、動物の撮影までを1本のレンズで済ませることができます。
撮影対象が変わってもレンズを交換しなくていいというのが高倍率ズームレンズの最大のメリットです。レンズを交換しているうちにシャッターチャンスを逃したり、レンズの交換をためらいそもそも写真を撮らなくなる、などのリスクを回避することができます。
筆者が愛用している富士フイルム社製の高倍率ズームレンズ、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRを用いて撮影した作例を以下に紹介します。(このレンズは換算で27-206mmまでの幅広い焦点距離をカバーできる高倍率ズームレンズです。)
各社、高倍率ズームレンズを発売しています。例えば、オリンパスではM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROが高倍率ズームレンズに相当します。換算で焦点距離24-200mmをカバーするレンズです。
超広角ズームレンズ
2つめのオススメレンズは、超広角ズームレンズです。
このレンズは 、樹林、稜線、複数の山、山の全体などの風景を撮影するのに適しています。風景撮影のスペシャリストです。筆者が愛用している富士フイルム社製のXF10-24mmF4 R OIS WR を用いて撮影した作例を紹介します。(このレンズは換算で15-36mmの焦点距離となっており、超広角~広角~標準域をカバーするレンズです)
尚、富士フイルムは似たコンセプトのレンズでXF8-16mmF2.8 R LM WRを発売しています。こちらは換算の焦点距離が12-24mmとなり、前述のXF10-24mmF4よりも超広角側に特化した仕様となっています。
XF8-16mmのメリットは、F値が2.8と明るく夜間の撮影に強いこと、防塵防滴仕様となっていることなどことです。デメリットは、標準域が使えないこと、手振れ補正が使えないこと、そしてとにかく値段が高いことです。(ただし手振れ補正については、レンズが明るくシャッタースピードが稼げることと、そもそも超広角域では手振れの影響を受けにくいため、あまり気にする必要はありません)
各社、超広角ズームレンズを発売しています。詳しくは以下の記事で紹介しています。
明るい広角単焦点レンズ
3つ目のオススメレンズは、F値が2.0以下の明るい広角単焦点レンズです。
単焦点レンズではズームはできませんが、その代わりに明るく画質のよいレンズが多いです。夜明け前のマジックアワー、星空、夜の宴会を撮影するのに最適です。筆者が愛用している富士フイルム社製の広角単焦点レンズ、XF16mmF1.4R WRを用いて撮影した作例を紹介します。換算で24mmの広角レンズです。
各社、明るい広角単焦点レンズを発売しています。詳しくは以下の記事で紹介しています。
今回の記事「登山用おすすめレンズ3選」は以上になります。
コメント
アラフォー、シンガポール在住で、ヒマラヤに登り始めました。ヒマラヤといっても、日本の山と比べると観光地化が進んでおり、テント泊が必要ない範囲で5000m以上のピークにアクセスできるため、それなりの装備と根性があればむしろ初心者に優しいです。春にランタンを歩き、もっといいカメラで山を撮りたいと思ったのが、ここを訪ねたきっかけです。非常に勉強になりました。今まで私にとってカメラはダイビングで使うだけだったのですが、自分は極めて曖昧にカメラを選んできたんだなーと痛感しました(笑)。他の登山系・写真系サイトからも得るものはありましたが、フルサイズのデカい一眼を使わずにいかに上手に山や星空を切り取るか という記事にはあまりお目にかかれなかったので、そこから色々(代替し得るハイエンドコンデジは無いか?とか)調べるきっかけにもなりました。ホントにありがとうございました!
まきさん
コメントありがとうございます。
そのように言っていただければとてもうれしいです。
あまりコメントが付くことがなかったので、記事を見てくれている人がいると記事執筆のエネルギーになります。
ヒマラヤの写真、是非お目にかかりたいものです。twitterやinstagramなどにアップされた際は、是非一報いただけないでしょうか。