「1泊で登山にいく際に、せっかくだから昼間の景色も夜景も両方撮りたい」と思う方は多いでしょう。では、このためにはどのような装備が必要なのでしょうか。カメラ本体1台、昼間用のズームレンズ1本、明るい広角単焦点レンズ1本、三脚、これらを収納する袋などが最低限必要な装備となります。
昼間にはズームレンズを使い、様々な画角(焦点距離)で撮影をすることができます。夜には明るい広角単焦点レンズや三脚を使い、星空やマジックアワーを撮影することができるからです。
今回の記事では、これら撮影機材や周辺機器自体や、撮れる写真の紹介をします。
目次
カメラ本体 X-T3
カメラ本体には、富士フイルムのX-T3を使っています。
X-T3はAPS-Cのセンサーと、2,610万画素を誇る高画質ミラーレスカメラです。重量はわずか489gと軽量です。山では荷物が軽いことは重要なことです。防塵防滴、耐寒仕様となっており、山の過酷な環境でも比較的安心して使用することができます。
富士フイルムのカメラには、フィルムシミュレーションといって写真の彩度や階調をアナログフィルムに合わせて手軽に変更できるモードが備わっています。フィルムシミュレーション・Velviaモードで撮影することで、色鮮やかに撮影することができます。色鮮やかな写りが嫌いな場合には、通常のProviaモードで撮影すれば自然で美しい色合いとなります。RAW現像無しでもとても美しい色を吐き出してくれるカメラです。
カメラケース HAKUBA トップローダーズーム
HAKUBA社のカメラケース「トップローダーズーム」にカメラ本体を収納しています。トップローダーズームを体の前面に付ければ、撮影時にすぐにカメラを取り出すことができます。
このケースはカメラ全体を覆えるため、カメラに埃や傷がつくのを防止できます。トップローダーズームには小物入れが豊富についており、予備バッテリー、ブロワー、クリーニングクロスなどを豊富に収納可能です。トップローダーズームにはレインカバーが付属しています。本体の防塵防滴性と合わせて、カメラを二重に防御できます。
ズームレンズ
昼間の明るい時間帯には、X-T3にズームレンズを付けています。登る山や撮影したい対象によって、山に持っていくズームレンズを変えています。
XF10-24mmF4 R OIS WR
選択肢1はXF10-24mm F4 R OIS WRです。(実際には、筆者が使っているのは1世代前の XF10-24mm F4 R OISです)
このレンズは換算で15~36mm(超広角、広角、標準域)をカバーする超広角ズームレンズです。このレンズの超広角~広角域を使えば樹林、稜線を広く写したり、離れた距離にある複数の山を1枚に収めることができます。まさに風景撮影のスペシャリストです。また、標準域を使うことで人や花をアップで撮影することも可能です。
火打山、苗場山、仙丈ケ岳、乗鞍岳など稜線のなだらかで美しい山、秩父などの樹林帯がメインの山に登る際には、XF10-24mm F4 R OISを使用することが多いです。
以下に、筆者がXF10-24mmで撮影した写真を紹介します(下の写真をクリックしてスライドショー開始。左右の矢印でページめくり。escキーで元の記事に戻る)
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
選択肢2はXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRです。
このレンズは換算で27-206mm(広角~中望遠~望遠)をカバーする高倍率ズームレンズです。いわゆる便利ズームとも呼ばれています。
このレンズの広角域を使えば山並みや稜線を撮影できます。中望遠域を使えば、山をアップで切り取り、望遠域を使えば、雷鳥やオコジョをアップで撮影することができます。1本のレンズで様々な被写体を撮影できる、まさに「便利ズーム」です。画質もとても良いです。
近くに北岳、槍ヶ岳、剱岳などの尖った山がありアップで撮影したいとき、雷鳥を撮影したいときなどには、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRを使用しています。
以下に、筆者がXF18-135mmで撮影した写真を紹介します(下の写真をクリックしてスライドショー開始。左右の矢印でページめくり。escキーで元の記事に戻る)
明るい広角単焦点レンズ
星空やマジックアワーの撮影には、XF16mmF1.4 R WRを使用しています。
このレンズの35mm判換算焦点距離は24mmとなっており、広角レンズの部類に入ります。解放F値は1.4ととても明るいなっており、暗いところにはめっぽう強いです。三脚を使えば星空が撮影可能ですし、マジックアワーであれば十分手持ち撮影が可能です。
交換レンズ用ケース
本体に付けていないレンズは、AMERTEERのレンズケースに収納してからザックの中に入れています。
このケースは耐衝撃性、防水性、防塵性を有しており、山の過酷な環境でレンズを持ち運びするのにおすすめできます。山で雨が降ってきたときに、ザックにレインカバーを付けていても隙間から水が浸水し、ザック内部が濡れてしまうというのはよくある話です。また、荷物を取り出したときにザックの中の交換レンズを落下させてしまうこともあります。このような場合でも、AMERTEERのレンズケースに入れておけば安心です。4サイズをまとめて購入することができるため、様々な大きさのレンズに対応可能です。
三脚
星空撮影には、SLIKライトカーボン E63を使用しています。
星空撮影では20秒程度シャッターを開き続けるため、ブレに気を付ける必要があります(手振れ補正機能は、三脚使用時には使えません)。 SLIKライトカーボンE63は高剛性と軽量さを両立した三脚であり、登山にとてもおすすめできます。(重量は約1kg)
予備電池 or モバイルバッテリー
特にミラーレスカメラの場合には、バッテリーの持ちは悪いです。撮り方にもよりますが、筆者の場合には、一日目の終わりから二日目の早朝にかけて1本目のバッテリーを使い切ってしまうことが多いです。よって、必ず予備バッテリーNP-W126Sを持っていくようにしています。
ちなみに、サードパーティー(社外品)の安いバッテリーも販売されていて、筆者もこれを使っていた時期もあります。春~秋にかけては問題ありませんでしたが、気温が氷点下を超える雪山では誤作動を起こしたことがありました。よって、あまりおすすめはできません。
X-T3ではモバイルバッテリーを使って充電・給電することができます。予備バッテリーではなくモバイルバッテリーを持っていくことでも電池切れへの対応委は可能です。
メーカー推奨のモバイルバッテリーは、Ankerの「PowerCore Speed 20000 PD」及び「PowerCore+26800 PD」の2機種になります。
ブロワーとクリーニングクロス
レンズや保護フィルターに汚れや水滴が付いてしまった場合に、これらを除去するためのブロワーとクリーニングクロスがあると重宝します。
今回の記事は以上になります。
ちなみに、今回の装備にカメラを1台足して、2台体制とした際の記事については以下で紹介しています。