筆者は、登山にカメラを持っていくなら「タフネスコンデジ」「高級コンデジ」「ミラーレスカメラ」のうちいずれかのタイプが良いと考えています。
それぞれのタイプに一長一短があり、登山者が何を重視するかでどのタイプのカメラが良いかが決まります。
各タイプが向いている人を分類するとしたら、以下のようになるでしょうか。
- 「カメラを壊すのが不安、なるべく軽い荷物で登山に集中したい」という人
→タフネスコンデジ - 「とにかく画質優先でいい写真を撮りたい。荷物が重くなっても構わない」という人
→ミラーレスカメラ - 「荷物の軽さと画質を両立したい」という人
→高級コンデジ
ちなみに筆者の場合には、1年ほどタフネスコンデジを使った後にミラーレスカメラに移行しています。
今回の記事では、登山にカメラを持っていく上で、それぞれのタイプのカメラのメリットとデメリット、そして各タイプごとにオススメ機種を紹介します。
・登山用にカメラの導入を考えている人
・スマホからカメラへステップアップしようと考えているが、どのタイプのカメラを買ったらいいか悩んでいる人
・既にデジカメを持っていて、タフネスコンデジ、高級コンデジ、ミラーレスカメラ等にステップアップしようと考えている人
目次
タフネスコンデジ
タフネスコンデジは、タフに作ってあるコンデジ(コンパクトデジカメ)です。
以下にタフネスコンデジのメリットとデメリットを解説します。
メリット
タフネスコンデジ最大のメリットは、耐落下衝撃性と防水性を備えていることです。
登山では、岩にカメラをぶつけたり、突然の雨に降られたりすることがあります。
このようなときでも、タフネスコンデジであればまず壊れることはありません。
さらに言うと、カメラを壊すリスクが少ないということは、その分登山に集中できるという事です。カメラに気を取られて怪我をしてしまっては、元も子もありません。
タフネスコンデジの重量はとても軽く、例えばオリンパスから発売されているTG-6の場合には253gしかありません。実に500mLペットボトルの約半分の軽さです。
デメリット
一方で、タフネスコンデジにはデメリットもあります。
それは、センサーサイズが小さかったり、ズーム倍率が小さいことです。
前提として、カメラの画質のうち半分はセンサーサイズで決まります(残りの半分はレンズ)。各社のタフネスコンデジには、デジカメとしては最も小さい1/2.3(ニテンサンブンノイチ)という大きさのセンサーが積まれています。
センサーサイズが小さいことには2つのデメリットがあります。
1つ目は、高感度ノイズです。
これは、暗所で写真を撮ったときに、写真にノイズが出やすいという現象です。
夜景や室内で撮影をする際には注意が必要です。
(ただし、F値の小さな明るいレンズを使うことで、このデメリットを最小限に抑えることができます)
2つ目は、白飛びや黒飛びの発生です。
逆光のときなど、明暗差がある場面で撮影した写真では、黒飛びや白飛びが発生しやすくなります。
(ただし、タフネスコンデジのHDR合成撮影機能を使えば黒飛びや白飛びは最小限に抑えられます)
デメリットはセンサーサイズ以外にもあります。
それは、ズーム倍率が4倍程度と小さいことです。遠くの被写体や動物をアップで撮影するのは難しいでしょう。
…と、ここまで悪いことも書いてしまいましたが、これは後述する高級コンデジやミラーレスカメラと比較した場合の話です。
タフネスコンデジ単体としてみた場合にはとても優れたカメラです。スマホよりもはるかにいい画を吐き出します。
登山中にカメラを壊す心配がなく、しかもスマホより高画質で撮影をすることができるのがタフネスコンデジの魅力です。
・耐衝撃性や耐水性を有するので、落下や突然の雨でも安心。登山にも集中できる
・重量が約250gと軽い
・センサーサイズが小さく、暗い場面や明暗差のある場面は苦手
・ズーム倍率が低く、遠くの被写体や動物の撮影は苦手
・レンズ交換不可
・各種設定(シャッタースピード、絞り、ISO感度)を手動で変更不可
オススメ機種
各社からタフネスコンデジが発売されていますが、最高級はオリンパス製のTOUGH TG-7です。
これはF2.0というとても明るいレンズを積んでいるため、暗所でもノイズや手振れを押さえて綺麗な写真を撮ることが可能です。
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