「審査制のフォトストックサイト・1x.comに写真を投稿しても、なかなかpublishedされない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。筆者もそのうちの1人でした。撮って出しのjpeg写真や、lightroomで編集した写真を投稿しても全くpublishedされず、その枚数は50枚に達していました。しかし、以下の4つを実践したところ状況が変わり、約40%の確率でpublishedされるようになりました。現在、計30枚の筆者の写真がpublishedされています。
・不要な部分をトリミングする
・雪の青被りを除去する
・夜景の場合には、印象的な前景を入れる
今回の記事では、主に風景(landscape)や夜景(night)のカテゴリーで1x.comに挑戦している人向けに、1x.comでpublishedされるための前述4か条を紹介します。
(1.comでpublishedされた筆者の写真一覧はこちら!)
目次
低めの彩度が好まれる
1x.comでは彩度が低めの写真がpublishedされやすいです。instagramなどでは彩度が高めの写真が好まれやすいので、これは意外かもしれません。以下に数例を示します。
夜明けの赤岳
以下は夜明け前の赤岳です。左はpopularityが0~2%でNot selectedとなった作例です。右は、同95~98%でpublishedされた作例です。
これらの写真の主な違いは彩度の高さです。左の作例では、左の朝日、右上の空、右下の赤岳などすべての彩度が高めとなっています。右の作例では、いずれも彩度が低くなっています。このように、彩度が異なるだけでpopularityは全く違うものとなり、publishedされるかどうかが変わってきます。
冬の鹿島槍ヶ岳
以下は冬の鹿島槍ヶ岳です。左はpopularityが0~1%でNot selectedとなった作例です。右は、同57~62%でpublishedされた作例です。
これらの写真の主な違いは、先ほどと同様に彩度の高さです。左の作例では、空の彩度がやや高めとなっています。右の作例では、彩度をかなり低めにしています。そのほかにトリミング範囲の違いもあります。これについては次項で説明します。
不要な部分をトリミングする
1x.comに限ったことではありませんが、不要な部分をトリミングしてある写真の方がpublishedされやすいです。
以下の2枚は、いずれも残雪の五色ヶ原の上をヘリコプターが通過した瞬間の作例です。奧には薬師岳が見えています。1枚目はpopularityが0~1%でNot selectedになっています。2枚目は同54~55%でpublishedされています。
これらの写真の違いは、トリミング範囲の違いです。1枚目の写真で解説すると、この写真で重要なのは「右上のヘリコプター」「右下の五色ヶ原山荘」「中央の薬師岳」の3者です。これらを中心としてトリミングをしたのが2枚目の写真になります。このように、トリミング範囲の違いによってpupularityとpublishedの有無は全く異なってきます。重要なことは、メインの被写体を中心として、余分なものはトリミングをすることです。
雪の青被りを除去する
雪を撮影する場合には、雪の青被りを除去するとpublishedされやすいです。
以下の2枚は、いずれも残雪期の旭岳と、そこに向かう登山者の作例です。1枚目はpopularityが21~22%でNot selectedになっています。2枚目は同75~77%でpublishedされています。
これらの写真の違いは、雪の色被りです。1枚目の写真では一見雪が白いように見えますが、よく見ると色が青色に偏っています。これは、空の青い光を雪面が反射しているためです。実際の風景を人が見ている場合には、これくらいの青さであれば脳内で自動補正されて白く見えます。しかし、写真にしてじっくり見てしまうと、その青さは意外に目立ち、そして不自然になります。
2枚目の写真では、photoshopを使い雪の青被りを除去しています。このように、色被りの除去の有無によって、popularityやpublishedの有無は大きく変わってきます。
夜景の場合には、印象的な前景を入れる
筆者の経験上、夜景写真は風景写真よりもpublishedされにくいです。筆者の場合、風景写真のpublished率は40%なのに対して、夜景は24%に留まっています。なぜならば、単純な構図の夜景はNot selectedになりやすいからです。印象的な前景を入れることでpublishedされやすくなります。
Not selectedの写真
Not selectedになった夜景を数例紹介します。
以下は、残雪の鹿島槍ヶ岳を前景として撮影した星空です。pupularityは0~4%です。山を前景として撮影した星空はありきたりなので、Not selectedとなりやすいです。
以下は、仙丈ケ岳を前景、街並みを中景として撮影した星空です。popularityは0~4%です。さきほどの例よりは複雑な構図ですが、それでも一般的な構図となっていることは否めません。
publishedされた写真
publishedされた夜景を数例紹介します。
以下は、テントを前景、雲海を中景、富士山と星空を遠景とした作例です。pupularityは57~61%となっています。この写真では「明るく人が生活しているテント」と「暗い夜」との対比が生まれています。夜景に限ったことではありませんが、ストーリーを生み出すような前景を入れることが重要です。
以下は、冬の八甲田山でスノーモンスター(雪を被った樹木)を前景とした星空です。popularityは88~89%となっています。スノーモンスターのコントラストを弱めるようにレタッチすることで、夜の山中に眠るスノーモンスターを表現しています。
関連書籍など
以下の記事一覧では、1x.comでpublishedされた写真について紹介しています。
風景をメインで撮影していて、尚且つPhotoshopの操作にあまりなじみのない場合には、「風景&ネイチャーAdobe Photoshopレタッチの教科書」がおすすめです。Photoshopの基本的な操作方法と、風景写真のレタッチ方法を紹介している本です。筆者もこの本でphotoshopの使い方を学びました。
レタッチする際には、キャリブレーション可能なモニタを使用する必要があります。キャリブレーションしていないモニタを使ってレタッチをしても、色を正確に合わせることはできません。
今回の記事は以上になります。